2004年08月31日
”時間”という名の孤独
今回のような高齢者の自殺だけでなく、孤独死も問題になっている。
北海道で、死んだことも気がつかずに何年も自宅にほったらかしに
なっていたケースもある。(住んでいたアパートの取り壊しの時に発見された)
今の”時間”という速くて高い波に弱者が飲み込まれ、
ある意味”姥捨て山”のような状況になっているのかもしれない。
「ずっと一緒にいたかった」・・・この言葉が胸を貫いた。
<夫婦心中>「ずっと一緒にいたかった」 77歳と76歳
東京都大田区の都営団地で6月、 死後1週間とみられるお年寄り夫婦の遺体が発見された。
夫(77)は、入所していた特別養護老人ホームから一時帰宅中だった。
自宅で暮らす妻(76)と夫婦離ればなれの生活を送っていた。
室内には便せんに「ずっと一緒にいたかった」と書かれた夫婦連名の遺書が残されていた。
警視庁蒲田署は、睡眠薬などを服用した心中とみている。
介護保険制度が始まって5年。介護サービスが充実しているはずの大都会で、悲劇は起きた。
夫婦の遺体は6月28日午後3時ごろ、発見された。
10日前から一時帰宅していた父親を大田区内のホームに送ろうと、区内に住む息子が都営団地1階の自宅を訪れた。
ドアには内側からチェーンロックが掛かっていた。
息子の通報で駆けつけた消防隊員がドアを開け、2人の遺体を発見した。
夫は居間でうつぶせに倒れ、妻は寝室のベッドの上で死亡していた。
外傷はなく、妻の体内からは睡眠薬が、夫からは殺虫剤が検出された。
夫は以前から足が不自由で車椅子生活だった。
身の回りの世話をしていた妻もぜんそくなどの持病を抱え、年齢からも夫の介護が難しくなった。
近所付き合いも少なく、2人で寄り添うように生きていた夫婦。
夫は4月、ホームに入所する道を選んだ。妻は友人の女性(79)に「このままでは夫婦共倒れになってしまう。
でも夫がホームに入ったので私1人になる。どうしよう。死にたい。ご飯を作る気もしない」と弱々しく漏らしていた。
夫の入所後、妻は数日間の短期入所などで夫に会い続けた。
ホームの職員は「2人で一緒にいたいね」と話す姿を見たが、妻は介護が必要なほどではなく入所が認められる可能性は少なかった。
6月18日、夫が10日間の予定で一時帰宅した。20年以上暮らした団地で、久しぶりの水入らずの生活。
2人は28日の別れを前に、ともに命を絶った。
近所の人によると、夫婦は週1回、ホームヘルパーの訪問を受けていたという。
区は、2人で生活したいという夫婦の願いを把握していたのか。
区介護事業課は「希望してもホームに入所できない人はたくさんいる。
夫から申請が出されていたから基本的には入所する意思があったと思う。
適正に入所事務が行われたと認識している」と回答した。
2人の生活ぶりなどについては「個人情報にかかわることなので答えられない」と繰り返した。
息子は両親と国内旅行をするなど面倒をみてきたが、「何も答えられない」と話すだけだった。
夫婦が暮らした団地は築30年以上。2DKの間取りの各室には、1人暮らしや「老々介護」の世帯が目立つ。
団地の自治会長(80)は「高齢者が多いから、『姿が見えなくなったら連絡を取り合おう』と会合で話し合っている」と語った。
警察庁の統計によると、03年の全国の自殺者(3万4427人)のうち、60歳以上は1万1529人(33.5%)を占る。
98年に初めて1万人を突破した後は、ずっと1万人台で推移している。【斎藤良太】(毎日新聞)
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- by Nipopo
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