2007年03月28日

スリーマイルアイルランド

アメリカ合衆国東北部ペンシルバニア州、スリーマイルアイルランドにそびえ立つ原子力発電所

1979年3月28日AM4時、その事故は起きた。

二次冷却水の給水ポンプの故障が起き、その後、一次冷却水の異常加圧、計測器の誤作動、運転員の操作ミス、コンピューターの動作遅延などが重なり、最後にはメルトダウン(炉心融解)。放射能を含んだ大量の冷却水の蒸気が大気に流された。事故から30年近く経った今でも、炉心内部には溶けた燃料が汚染水と共に大量に貯まったまま。その量、ヒロシマ原爆の数百個分。スリーマイル島周辺には放射能による影響が無かったと、一般的には言われていますが、実際には、動植物の奇形や人体への影響が多数報告されています。


最近、ニュースを賑わしている日本の原発事故。原子炉を停止させるつもりが、制御方法を運転士が間違い、核分裂に伴う中性子を吸収し連鎖分裂(臨界状態)を押さえ込むための制御材を固めた棒を炉心内に落とし、臨界状態から離脱できなくなった。

幸いにして、日本で起きた事故は制御棒を元に戻したりすることが出来たためメルトダウンは起きなかったのですが、一歩間違えればスリーマイルやチェルノブイリの惨事を日本で起こしてもおかしくなかった事例でもあります。「日本の原発は二重三重の安全装置があり、それがちゃんと働いたから放射能漏れ事故にならずに済んだのだ」と、技術力を絶賛する人達も一部でいるようですが、その安全装置はどこまで保証できるのでしょうか?スリーマイルもチェルノブイリも安全装置はありましたが、人間の過信や操作ミスや不備によってその装置が止まってしまったのが原因でメルトダウンが起きていることは確かです。

先の能登半島大震災の時に志賀原発が、様々なトラブルを抱えたまま運転停止中だったのは不幸中の幸いだった。試験運転中の制御棒抜け落ち事故の隠蔽より以前にも、志賀原発は元々耐震性が疑問視され、尚かつ、様々なトラブルを頻発させていたため、原子炉はすでに停止中に近い状況でした。その矢先に、その原発から数十キロぐらいしか離れていない所を震源とする大地震。使用済み燃料棒を貯蔵していたプールで放射能を帯びた冷却水が飛散した事故は起きてはいますが、それ以外では何事もなく済んでいます。


柳田邦男さんのスリーマイル島の事故を題材にした書物でこんなことを言っている。「日本では事故があると、運転員や運転士やパイロットをすぐに警察がしょっぴき、マスコミが袋だたきにする。そういう刑罰や制裁が優先する社会では、ほんとうの安全対策を科学的合理的に考えようとする技術論は後まわしにされてしまう。…スリーマイル島2号炉の4人の男たちの行動と証言を調べると、彼らに悪意や怠慢があったという証拠は何もない。…ここで考えるべきことは、彼らをお粗末だと責めることではなく、彼らに代表される平均的技術者に、機械の側がふさわしいものであったあろうかということである。人間の社会なのだから、機械あっての人間ではなく、人間あっての機械なのだという基本に帰ることを忘れてはなるまい。」(『恐怖の2時間18分』、上記は、こちらのサイトより引用させてもらいました→TMI原発事故


スリーマイル島は、人員削減や経費削減などの合理化の元に起きた事故。また、チェルノブイリは冷戦時代の東西競争のまっただ中に起きた事故。


その「競争」の名の下に喘ぐ人間たち。その「人間あっての機械」という部分を立ち返る間もなく、先だってアメリカではこの事故以降禁止してきた原発建設の新規計画を解禁しました。


二酸化炭素削減も良いけれど、改めてエネルギーというものが何なのか、考えてみるべきなのではないでしょうか?もっと広く、もっと深く、もっと先を考えて、行動していきましょう。


<参考記事>
中尾ハジメ『スリーマイル島』

内容は1981年と古いですが、かなり、考えさせられます。中尾ハジメさんは、環境ジャーナリストで様々な記事をこちらで公開して頂いています。
中尾ハジメウェブサイト

原発がどんなものか知ってほしい

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