7日の夜、フッと付けたテレビでやっていたニュース。
赤塚不二夫さんの葬儀の模様をやっていた。
ちょうど、タモリさんが弔辞を述べているところだったけど、聴いていて何ともあたたかな気持ちになって、涙があふれてしまいました。
赤塚さんの人柄もそうだけど、タモリさんも「こんな優しい人柄だったんだ」なんて思ってしまった次第です。
バラエティー番組ではしゃいでいる姿とは大違いでした。
『あなたの考えはすべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい陰の世界から解放され、軽やかになり、また、時間は前後関係を断ち放たれて、その時、その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち、「これでいいのだ」と。』
「これでいいのだ」って、『天才バカボン』の流行り言葉のギャグでしか感じてこなかったけど、本当は奥深い許しの言葉なのかもって思ってしまいました。
1本前の日記じゃないけど、あたたかな笑顔でいつもいられるのは、こういう寛容で寛大な心持ちなのかもしれない。
なにがあっても、なにが起きても、「これでいいのだ」と言い切って受け止めてしまえる心なのかもしれない。
赤塚さんって、倒れるちょっと前に「視覚障害者にも笑いを」と指先の感覚で絵を感じられるようにしたマンガ本を考案したりもしたんだよね。
慰霊の写真とかみても、ほんと、あったかい優しい笑顔してるなぁ。
戦前は満州にいたこともあったり、仕事やプライベートにおいても、いろいろとご苦労もされたことがあったんだろうけど、みんなに愛され、みんなに好かれた人は、やっぱり、何か違う。
自然と人が集まり、自然と笑顔が耐えない場が出来る。
どんなことにも、どんなときにも、温もりを感じ、人間味を感じる。
たった一人の著名な漫画家の死だけど、このタモリさんの弔辞を改めて読んで、いろんな気づきが得られました。
ご冥福をお祈りします。
「これでいいのだ」
なんだか、好きな言葉になってしまいました。
タモリ 赤塚不二夫さんに弔辞で感謝の言葉(ディリースポーツ 08月08日 09:20)
http://www.daily.co.jp/gossip/2008/08/08/0001312332.shtml
2日に72歳で亡くなった人気漫画家・赤塚不二夫さんの葬儀・告別式が7日、東京・中野区の宝仙寺で営まれた。漫画家仲間や各界著名人、ファンら計1200人が参列。本名の森田一義として弔辞を読んだタレントのタモリ(62)は、赤塚さんを「肉親以上の関係」と表現し「ありがとうございました。私もあなたの作品の一つです」と声を詰まらせながら、感謝の言葉を述べた。法名は「不二院釋漫雄(ふにいんしゃくまんゆう)」と発表された。
◇ ◇
涙はトレードマークのサングラスで隠していた。「父のようであり、兄のようであり、時折見せる底抜けに無邪気な笑顔は年の離れた弟のようでもありました」。赤塚さんとの永遠の別れ。遺影に語りかけるように、タモリは一言一句かみしめるように読み上げた。
赤塚さんに見いだされた若きタモリは、赤塚さんの自宅マンションに居候し、一緒にどんちゃん騒ぎをし、お笑いをはじめ、さまざまなことを赤塚さんから学んだ。タモリにとって「肉親以上」という存在だった。
しかし、恩人である生前の赤塚さんに、面と向かってお礼を言ったことは一度もなかったという。弔辞の中で「肉親以上の関係であるあなたとの間に、お礼を言う時に漂う、他人行儀な雰囲気がたまらなかった」と説明した。
赤塚さん無くして、今の自分が存在し得ないことはタモリ自身がだれよりも分かっている。「あなたが言ってくれたことは金言として心の中に残っています。そして仕事に生かしています」。共に過ごした楽しい時間を回想した。
「会場のちょっと高いところから、あぐらをかいて『お前もお笑いやってるなら弔辞で笑わせてみろ』と言っているに違いありません」と語り掛けた。赤塚さんのことは分かり過ぎているタモリだが、この日だけは最後まで大まじめに役目をまっとうした。
「赤塚先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました。私もあなたの数多くの作品の一つです」。こみ上げてくる気持ちに声を詰まらせながらも、人生の師に対し、初めて感謝の言葉を口にした。
語り尽くせない思いを8分間の弔辞に凝縮し、天国へと旅立つ恩人に別れを告げたタモリは、再び席に着くことなく「笑っていいとも」に生出演のため会場を後にした。
タモリの手には白紙...あふれる感謝そのままに(スポーツニッポン2008年08月08日)
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/08/08/02.html
タモリは、手にしていた紙を何度も見ながら弔辞を読んでいたが、紙は白紙で、すべてアドリブだった可能性がある。7日夜放送のテレビ朝日「報道ステーション」では、弔辞の様子をVTRで伝え、映像から「手にした紙には何も書かれていないようにも見える」と指摘。インターネット上の掲示板でも話題となり「白紙なんだよね。すごいよタモさん」「あの長い弔辞を白紙で読んでるとかすげぇな」「読み上げるふり。ささげるギャグなのかな」などといった書き込みが相次いだ。
◆タモリ弔辞全文◆
弔辞
8月2日にあなたの訃報に接しました。6年間の長きにわたる闘病生活の中で、ほんのわずかではありますが回復に向かっていたのに、本当に残念です。
われわれの世代は赤塚先生の作品に影響された第1世代といっていいでしょう。あなたの今までになかった作品や、その特異なキャラクター、私たち世代に強烈に受け入れられました。10代の終わりからわれわれの青春は赤塚不二夫一色でした。
何年か過ぎ、私がお笑いの世界を目指して九州から上京して、歌舞伎町の裏の小さなバーでライブみたいなことをやっていた時に、あなたは突然私の眼前に現れました。その時のことは今でもはっきり覚えています。赤塚不二夫が来た。あれが赤塚不二夫だ。私を見ている。この突然の出来事で、重大なことに、私はあがることすらできませんでした。終わって私のところにやってきたあなたは、「君は面白い。お笑いの世界に入れ。8月の終わりに僕の番組があるからそれに出ろ。それまでは住むところがないから、私のマンションにいろ」と、こう言いました。自分の人生にも他人の人生にも影響を及ぼすような大きな決断を、この人はこの場でしたのです。それにも度肝を抜かれました。
それから長い付き合いが始まりました。しばらくは毎日新宿の「ひとみ寿司」というところで夕方に集まっては深夜までどんちゃん騒ぎをし、いろんなネタを作りながら、あなたに教えを受けました。いろんなことを語ってくれました。お笑いのこと、映画のこと、絵画のこと。他のこともいろいろとあなたに学びました。あなたが私に言ってくれたことは、いまだに私にとって金言として心の中に残っています。そして仕事に生かしております。
赤塚先生は本当に優しい方です。シャイな方です。麻雀をする時も、相手の振り込みであがると相手が機嫌を悪くするのを恐れて、ツモでしかあがりませんでした。あなたが麻雀で勝ったところを見たことがありません。その裏には強烈な反骨精神もありました。あなたはすべての人を快く受け入れました。そのためにだまされたことも数々あります。金銭的にも大きな打撃を受けたこともあります。しかし、あなたから後悔の言葉や相手を恨む言葉を聞いたことはありません。
あなたは私の父のようであり、兄のようであり、そして時折見せるあの底抜けに無邪気な笑顔は、はるか年下の弟のようでもありました。あなたは生活すべてがギャグでした。たこちゃん(たこ八郎さん)の葬儀の時に、大きく笑いながらも目からはぼろぼろと涙がこぼれ落ち、出棺の時、たこちゃんの額をぴしゃりと叩いては、「この野郎、逝きやがった」と、また高笑いしながら大きな涙を流していました。あなたはギャグによって物事を動かしていったのです。
あなたの考えはすべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい陰の世界から解放され、軽やかになり、また、時間は前後関係を断ち放たれて、その時、その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち、「これでいいのだ」と。
今、2人で過ごしたいろんな出来事が、場面が、思い浮かんでいます。軽井沢で過ごした何度かの正月、伊豆での正月、そして海外への、あの珍道中。どれもが本当にこんな楽しいことがあっていいのかと思うばかりのすばらしい時間でした。最後になったのが京都五山の送り火です。あの時のあなたの柔和な笑顔は、お互いの労をねぎらっているようで、一生忘れることができません。
あなたは今この会場のどこか片隅で、ちょっと高い所から、あぐらをかいて、ひじを付き、ニコニコと眺めていることでしょう。そして私に「おまえもお笑いやってるなら弔辞で笑わしてみろ」と言ってるに違いありません。あなたにとって死も1つのギャグなのかもしれません。
私は人生で初めて読む弔辞が、あなたへのものとは夢想だにしませんでした。私はあなたに生前お世話になりながら、一言もお礼を言ったことがありません。それは肉親以上の関係であるあなたとの間に、お礼を言う時に漂う他人行儀な雰囲気がたまらなかったのです。あなたも同じ考えだということを、他人を通じて知りました。しかし、今、お礼を言わさせていただきます。赤塚先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました。私もあなたの数多くの作品の1つです。合掌。
平成20年8月7日、森田一義
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